技術資料

大野精機の仕事に関連する技術資料です。

 切削条件の初歩

切削加工において加工条件を決定するのは、重要な仕事です。道具や加工物の形状、素材、方法、などは様々であり、そのTPOに合わせたり、品質、価格、納期を考慮し最適条件を決めていきます。

毎回転送りと毎分送りの相互関係

毎回転送り(G99)
主軸1回転あたりのバイト送り量(mm/rev)
=送り速度(mm/min)÷1分間あたりの主軸回転数
毎分送り(G98)
送り速度(mm/min)
=主軸1回転あたりのバイト送り量(mm/rev)
×1分間あたりの主軸回転数

周速と回転数の関係

周速
周速=(円周率×加工物の径×回転数)÷1000
回転数
回転数=(周速×1000)÷(円周率×加工物の径)

 比重について

主要金属比重軽さランキング

重量計算
Kg=(面積×長さ×比重)÷1,000,000
 
順位 名前 比重
1 マグネシウム 1.74
2 アルミニウム 2.70
3 チタン 4.51
4 亜鉛 7.13
5 クロム 7.19
6 すず 7.30
7 7.87
8 ステンレス304 7.93
9 ニッケル 8.90
10 8.96

 切削加工での超硬合金工具について

主成分であるWC(タングステンカーバイド、炭化タングステン)に、Co(コバルト)又は、Ni(ニッケル)を結合剤(バインダ)として加えたもの。 炭化物とは炭素と、炭素よりも陽性が高い元素からなる化合物の総称。結合剤のCo(コバルト)の含有量が増えたり、粒子を大きくすると、炭化タングステンや炭化チタンなどの硬質成分より硬度が低いことより、 硬度は低下するが、一方靱性は高くなる。反対にコバルトが少ないと硬い為、熱に対する耐磨耗性があることで、切削速度を速くできる。炭化物とはCarbide、炭素と炭素より陽性が高い元素からなる化合物の総称。

切削における超硬の選定についての簡易資料

硬度と靱性は相反し相容れない為、切削加工の用途や使用目的によって使い分けることになる。 JISでは超硬は切削における「切りくず形状」や「作業条件」によってK種、P種、M種の 3種類に分類されている。K、P、Mはドイツ規格による分類の頭文字を参考にしている。
K種(赤)
組成はWC(炭化タングステン)+Co(コバルト)
逃げ面摩耗に優れている
拮抗力を有する
靱性に優れる
機械的な衝撃に強い。
熱に弱いので、熱の発生しにくい不連続の切りくずを出す材種の場合に使用する。
すくい面摩耗に弱い
P種(青)
組成はWC(炭化タングステン)+Co(コバルト)+TaC(炭化タンタル)+TiC(炭化チタン)
TaC(炭化タンタル)+TiC(炭化チタン)を添加することで耐熱性を有することで耐磨耗性に優れる。
摩耗に強い為、連続した形の切りくずを出す材種の場合に使用する。
耐溶着性にすぐれる。
M種(黄)
成分と性質ははK種とP種の中間
中間である為、耐熱性と機械的衝撃にも程よく強い。

 ハイスについて

High Speed Steel(高速度鋼)の略。この鋼が開発された時代(1899年)では切削速度が高速であったからハイスピードという呼称になった。 ハイスピードスチールが縮まりハイスと呼ばれている。現在は技術の進歩によって、ハイスピードの座は譲っているが、ハイスの特性(靭性)を生かした加工は今も行われている。

ハイスの特長

刃先温度が600℃まで低下しない。超硬と比較して靭性が優る。研削しやすい為、成型して使用される。

添加物で特長が変わる

高速度鋼の材質はタングステン系とモリブデン系の2種類に大別される。
タングステン系・・・刃先が高温になる場合。
モリブデン系・・・刃先が衝撃を受ける場合。
参考・・・一般的に旋盤加工はタングステン系、フライス、ドリル加工はモリブデン系。
コバルト…硬さ(耐摩耗性)が大きくなる。コバルトハイスともいわれる。(Co系)
モリブデン…粘り(耐衝撃性)が高くなる。焼入れ性良い。耐熱性あり。
ニッケル…粘さ、耐衝撃性を増す。熱処理しやすくなる。耐食性向上。
クロム…高温硬さ、耐摩耗性を高める。
バナジウム…強靭性を発揮。耐摩耗性を向上。焼入れ性を増す。(V系)
タングステン…耐熱性を発揮。硬くて減らない。

粉末ハイス

粉末ハイスは溶けたものを一度微粉末にし、その粉末を固め均一で微細な組織を作る。 耐摩耗性、じん性及び耐疲労性が向上します。64〜70HRC程度に焼入できる。 鋼材メーカーが独自に開発している。